オフィス移転の前後にトラブルが発生し、企業活動が滞れば、その間の営業機会を損失するかもしれません。しかし、しっかりと準備した上でオフィスを移転すれば、オフィス移転後もスムーズに企業活動を再開することが可能です。
決して安くないコストと多大な時間と労力を要するオフィス移転。失敗に終わらないよう、有意義なものにしましょう。
オフィス移転を失敗してしまった!という例も残念ながらあります。
しかし、失敗は成功に繋がるのです。
失敗の例をあげて、その原因や解決策を解説しております。ぜひ最後まで読んでご自身の成功に繋げて下さい。
◆失敗例◆
何件も何件も内覧をしてようやく見つけた気に入った物件。
不動産業者に入居希望を伝えるも、すでに別の企業からの申し込みが決定しており、諦めるしかなかった。
という事例があります。これは、内覧から申し込みまでの間に時間がかかったことで起きました。移転エリアを明確に決めていないまま移転の話を進めたため、このエリアで良いのか内覧をしながらの社内協議になり、内覧から決定までのブランクができてしまった為です。
将来的に企業としてどうなりたいのかを明確にします。立地や人材、利便性という目の前の問題だけではなく、事業展開も明確にして物件を選ぶようにしましょう。
明確にした将来像と現状を比較してみると、なぜ移転するのか、それに必要な要件は何か、を明確にすることができます。現在のオフィス全部移転するのか、スモールオフィスで分室として、数ヶ所に分けるのか、を考慮し利便性の高さを考えて物件を探したほうがよいでしょう。
移転しないほうが良いという結論も当然あります。やめる勇気も失敗しないためには必要です。
賃貸事務所の場合、解約予告期間があります。移転先の新しい事務所を探すことに集中してしまいがちなので、うっかり前事務所の解約予告が遅れてしまうケースも多くみられます。
解約予告が遅れると、前オフィスと新オフィスの賃料の重複期間が長くなってしまい、コストが余計かかってしまうので避けたいところです。
まずは今いる事務所の解約予告期間を把握して、新オフィスの物件探しを始めましょう。
【原状回復工事が高額?】
入居者は移転前の事務所(店舗)の原状回復工事を行う契約義務があることがほとんどです。
その工事は工事費用は借主負担で、工事業者を貸主側が選定して工事(B工事)する場合が多く、借主は工事業者の選定ができず、高い工事費を請求されてしまう傾向にあります。
オーナーへの交渉次第では、こちら側指定の業者にて工事を行う事(C工事)もでき、C工事の方が割安です。この点は、工事費用に大きく関わるので慎重に交渉、確認をすることがオススメです。
解約予告を過ぎてしまうと、その分契約期間が延びるので新オフィスとの重複期間が長くなり、賃料がかかってしまうのはとても痛手です。
しっかり解約予告期間を確認し、計画しましょう。
原状回復工事を依頼する業者はこちらで選べるように交渉・確認をしましょう。
交渉せずに、貸主側指定の業者にそのまま依頼すると高額な費用がかかる時があります。
また、工事内容・工事範囲についても、本当にこちらが負担するべき部分なのか要確認です。
内装やレイアウトをコスト削減のため自分たちでやってみよう!と考えてしまう事もあります。
自由にデザインできるし、人件費もかからないし、資材なども節約したものを選べる。と、一見コスト削減にはいい方法だと思いがちです。
もちろん、それなりの知識や経験、ルート、そして時間があれば、コスト削減に繋がるかもしれません。ところが、コスト削減にならないばかりか、却って使いにくいオフィスになってしまっては本末転倒です。
◆失敗例◆
しっかり新オフィスの図面を手に入れて、家具も決定、レイアウトもばっちり。いざ、家具を運び込むというところで、家具がエレベーターに乗らない!
オフィスが高層階であれば階段は現実的ではない。エレベーターに乗らない程の家具であると、階段のコーナーだって曲がれない可能性もあります。
結局、検討に検討を重ねたこだわりの家具を諦めなければならなかったり、最悪、窓から運び込むとなると吊り上げるクレーンが必要になりますから、大変な費用がかかるのです。
自分たちでやってみた例としては動線の設計ミスもありがちです。
例えば、動線としての通路に人が通るのに狭すぎる、すれ違えない、袋小路が多くて小さな往復が多くなってしまう、ドアを開けると人にぶつかる場所にある、などです。
動線が効率的、かつ安全に設計されていないと仕事の効率に影響してしまうばかりでなく、怪我をする可能性や、災害時に避難にも影響するので、実はとても怖いことです。
たまにある例としては、エアコンの風に影響が出るときがあります。
エアコンの位置、風の向きをしっかり計算にいれてないと、途中に置いた背の高い家具で遮られていたり、一部分の人に集中的に風が当たってしまう、という事も起こります。
照明の光も同様の事が起こる可能性もあるので注意が必要です。
また、レイアウトを平面だけで考えてしまい、窓の高さを考えずレイアウト計画してしまい、家具が窓を塞いでしまった例もあります。部屋の明るさは照明器具で確保できますが、閉塞感が出てしまいます。
◆失敗例◆
移転を機会に内装イメージを変えてオフィス家具を新規で入替える事に。
しかし、イメージだけですすめてしまい、オフィス家具を安く購入しようといろいろなカタログから選んだ為にイメージしていた色や質感に食い違いが生じていたり、似た物を揃えたつもりでも違うカタログから買った物はちぐはぐになっていたり、せっかくの移転や買い替えが残念な結果になってしまった。
事前に業者からしっかりと提案してもらい、実物商品をきちんと目で見て、仕上げサンプルを確認していればこのようなことが起こることはありません。
◆失敗例◆
オフィス移転をした時に特別性のないシンプルな内装工事をしたところ、その工事が相場よりもとても高い費用だった。
その原因は、簡単な施工のため相見積もりをせず1社だけで話を進めてしまったことでした。
事業用物件を絞り込み、内装工事にかかる費用と賃料と管理費、電気代などを出してみます。
レイアウトのシミュレーションは、現状でイメージしているオフィス家具を図面に落とし込んでレイアウトをします。経験のある慣れた業者に依頼し、提案してもらいながら進めましょう。
見積もり依頼をする時は、どんな簡単な施工であっても必ず数社に相見積りをとって、比較しながら選択をしましょう。
電話回線/インターネット回線の移動手続き、回線移設手配を忘れてしまうと移転後に仕事ができない、という状態になります。
回線移設工事は想像以上に時間がかかるので、移転希望の2ヶ月前から着手するのがオススメです。
回線移設業者への依頼だけでなく、移転先のビル管理会社・オーナーへの移転作業の申請、移転先への連絡・申請を忘れてはいけません。移転作業当日に作業ができなくて、結局スムーズに新オフィスでの業務再開ができなかったという例があります。
ビル・オーナー側への申請は、移転希望日の約2週間前までに済ませるのが目安です。
◆失敗例◆
電話工事・LAN工事をいつも依頼している業者ではなく、今回はコストの削減を目指し、金額が安い新規の業者に発注したところ、移転直前に業者から「回線の移転手続きは終わっているか?」などの確認の連絡があった。
業者との連絡不足でお互い手続きや日程調整はやってもらっているものだと思っており、結果、希望日に調整が上手くつかず工事はできず。直前の手続きになったので、そう簡単に直近の日程ではできるはずもなく、新オフィスでの営業の開始に大きく影響してしまった
◆失敗例◆
コストを安く抑えようと内装工事・電気工事・電話工事・LAN工事・引越作業を全て異なった業者に依頼。その結果、それぞれの業者との打合せが毎日のようにあり、自分の業務がはかどらず、仕事に大きく影響。多忙を極め、不慣れなことばかりで見落としもあり、ビル管理会社へ作業届けの提出が遅れて作業ができない日もあったりした。
◆失敗例◆
引越業者を選定する際、コスト重視で小さな引越業者に依頼を。しかし、実際に引越当日になってみると、不慣れな引越業者がビル側へ作業届を申請してなかったので、すぐに作業が始められなかったり、壁や床、エレベータに傷をつけてしまうなど、ビルオーナーからクレームが来てしまった。
業者選定する際はコストだけで判断するのではなくオフィス移転に特化した経験量や知識が重要です。
また、見積もりのレスポンスも判断材料の一つです。
遅い業者は見積もり依頼後1週間以上も音沙汰がないところもあります。不慣れで見積もりに手こずっている、もしくは全てにおいて作業が遅いという可能性があります。
スピードが遅いと当日の作業にもトラブルをきたすので、レスポンスの早さというのも、選ぶ基準の一つと考えましょう。
回線移設は想像より時間がかかります。移転希望の2ヶ月前から着手し、余裕をもって工事が終われる日程にしましょう。
移転先のビルへの報告・申請を忘れると作業できない事があります。必ず報告・申請しましょう。
あまりにも安すぎる業者は、実績がなく作業も不安定なため引越し作業の際の事故になりやすいです。物損事故、配送時にPC等機器の故障などです。
安いからと言って値段で選ばずに、オフィス移転に慣れている業者を選び、初めての場合は行き違いがないように細かい事も確認しておきましょう。
見積りは、数社に依頼し相見積もりをとり、内容、それぞれの価格をきちんと把握して選定しましょう。
◆失敗例◆
もともと引越しの予定が3月の引越しハイシーズンでした。しかし内装工事が長引いてしまい、本来の引越し予定日に引越しを行う事ができず急遽日程を変更したところ、変更希望日の引越し作業依頼がかないませんでした。家具が引越し当日に搬入されず引越し後の数日間営業できませんでした。
引越しを希望していた時期が引越しの繁忙期、ハイシーズンであったことが原因です。ハイシーズンは物流業界のトラックの手配が厳しく、手配できずに起きた失敗事例でした。
コピー機やビジネスフォン機器のリース・レンタル品を連絡なしで移動してしまうのも気を付けなければならない事です。
オフィスにコピー機やビジネスフォン機器のリース・レンタル品がある場合、それを無断で移動させると、「勝手に持っていった」と判断される怖れがあります。
リース契約であると、設置場所移動など契約情報を変更する手続きが必要です。
その手続きには提出書類や、添付資料が必要であったりするので、その準備に時間がかかることがあります。事前にリース会社に確認を取っておく必要があります。
リース商品の搬出入はリース会社が担当することになっていたり、指定業者が決められていることがあります。OA機器は精密機械であり、引越し作業中に、小さな衝撃でも壊れてしまう可能性があるからです。
引越し時の運搬を自社で行ってしまうと、万が一故障が発生した時に、契約内にある無償修理や低額修理の対象外になってしまうことがあるので要注意です。
移転先のビル管理会社、又はオーナーへの移転日と移転作業の申請を忘れてはいけません。
移転先への連絡・申請が伝わっていないと、移転作業当日に作業ができなくなることがあります。
ビル・オーナー側への申請は、移転希望日の約2週間前までに済ませましょう。
ハイシーズンはトラックや人材が足りない状態なので簡単に予定変更ができません。
搬入ができない、などの事態になると自分たちの営業活動に影響が出てしまいます。
その事を念頭において、スケジュールに変更がないように、最悪、変更の必要性がでてきてもでも自分たちの営業活動に影響がでないよう事前に対策をたてましょう。ハイシーズンを選ばない、というのも一つの手です。
リース品はどれなのか、契約先や契約内容をしっかり把握しておく。
この機会にリースをやめて購入してみたり、見直すのもいいかもしれません。
最も気をつけたいポイントは社員からの不満です。
社員から不満が出てしまうと、モチベーションも下がってしまうので、移転の成功とは遠くなってしまいます。
小さな事でも、毎日のこと。社員にとっては大きな影響を与えるケースもあります。
通勤時間の増加
通勤は毎日の事です。
その通勤時間が増加したり、電車、バスなとの乗り継ぎが増えてしまうと移転はストレスになってしまう事もあります。
大切な人材が移転にとって退職してしまうことも考えられます。
周辺施設などの立地
近くに、飲食店などがなくどても不便になってしまったと感じたり、郵便局や銀行などの機関を多く利用する立場の社員なら、それらが遠くなるのは業務効率も悪く不満に繋がってしまいます。
「会社の近く」を条件に引越しをしていたり、もしくは病院を選び通院していた社員もいるでしょう。
これらの不満を少しでも抑えるためには、事前に社員へのヒアリングをしっかりと行いましょう。その上で移転の重要性、必要性を真摯に伝えましょう。メリットをきちんと提示することです。
社員も移転の意義を理解すれば、通勤時間の増加なども許容できるはずです。
レイアウトの使い勝手
使い慣れていたオフィスが変わると、レイアウトも当然変わってきます。
よく使うのにコピー機や書庫が遠い、自分の後ろを頻繁に人が通るので集中できない。
など、社員の導線を意識しないと、使い勝手に不満が出てしまうケースがあります。
しっかりヒアリングして、全員が使いやすいレイアウトにする必要があります。
社員全員に納得、理解してもらうのは必須です。メリット・デメリット・共にきちんと説明するようにしましょう。それを踏まえた上で、社員からのヒアリングをし、それを含めて計画を進めましょう。
レイアウトの重要性は社員全体の効率に繋がります。利便性のある、ストレスのない導線を考えてしっかり計画しましょう。
慣れているプロの業者に頼むのが失敗がありません。
オフィス移転の前後にトラブルが発生し、企業活動が滞れば、その間の営業機会を損失するかもしれません。
しかし、しっかりと準備した上でオフィスを移転すれば、オフィス移転後もスムーズに企業活動を再開することが可能です。
コストを下げる事ばかりを考えてしまって、トラブルが増えて時間やコストが余計にかかってしまっては意味がありません。
余裕のある期間を設け、そこに発生しうる失敗やリスクをしっかり理解しておけば、自ずと確認事項や進める手順が見えてくるはずです。
決して安くないコストと多大な時間と労力を要するオフィス移転。失敗に終わらないよう、有意義なものにしましょう。
ワンストップ対応の移転業者
オフィスの移転、レイアウト変更、新設には大変な時間と手間がかかります。各業者との打ち合わせや交渉など専門知識がないと難しい事も多く、通常業務を行いながらやるには大変な労力と負担です。
移転に関わる作業はワンストップ対応できるところに依頼するのが望ましいです。ワンストップ対応なら、手間と時間・移転コストも削減することができます。
オフィス空間デザインでは、ワンストップサービスにより、オフィスや店舗の移転・開設時にかかるトータルコストの削減を無料にてご提案致します。
オフィス空間デザインは、お客様の要望にぴったりな物件の選定から計画の立案、工程管理、物件調査、オフィス空間のレイアウトデザイン、設計、移転作業、各種工事、家具、OA機器の販売、メンテナンス、通信インフラ設備とオフィスや商環境の構築をワンストップ(トータル)でご提案させて頂く事により現場管理や諸経費、書類作成費等の重複を防ぎトータルコストの削減を実現致します。
お客様の手を煩わせることなく、プランニングからメンテナンスまでトータルにサポートいたします。
またオフィス空間デザインは、オフィス移転の中でも、特にスモールオフィスの移転について多くの実績があり、経験豊富なスタッフが柔軟に対応致します。
移転に関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
移転のレイアウトはもちろん、それ以外もぜひお気軽にご相談ください。
2022年10月14日 2:24 PM | カテゴリー: お役立ち情報, オフィス, スタッフブログ | タグ: 内装工事, 原状回復工事, 解約予告期間