オフィス移転の際には少なくない費用がかかりますが、その内容は主に3つに分けられます。
【オフィス移転費用の内訳】
・新オフィスの契約にかかる費用
・新オフィスの内装工事にかかる費用
・旧オフィスの退去、原状回復にかかる費用
オフィス移転の流れに沿ってそれぞれの工程でかかる費用を把握しましょう。
【コスト削減のポイント】
また、この記事では実際にコスト削減のポイントとして、
・初期費用の減額を交渉する
・オフィス内装工事の費用を削減する
・その他削減できるポイント
上記3点に分けて記載しておりますので、最後までぜひご覧ください。
オフィス移転の際にまずかかる費用は新オフィスの契約など不動産関係の費用です。
これからの業務の拠点となる最も重要な物件に関する費用になるため、きちんと把握しておきましょう。
新オフィスの契約締結時に支払う費用の代表的なものとして敷金があります。敷金は預け金のようなもので、賃料支払いの遅滞などが無い場合は、ほとんどの場合退去時に全額が返金されます。
ですが、全額の返金ではない場合もあります。契約書の確認が必要です。
礼金は敷金と同様に賃貸契約締結時に支払う費用の代表的なものですが、礼金は敷金とは違い、退去時にも返却されることはありません。
物件や貸主によって礼金の金額は様々ですが、一般的には賃料の1〜3ヶ月分程度請求されることが多いです。
オーナーによっては礼金が必要ない場合もあるほか、礼金については契約時の交渉によって減額することができる場合があるので、新規契約の際には交渉をしてみると良いでしょう。
基本的には貸主が仲介会社へ物件情報を開示し、テナント候補者を紹介してもらうという仕組みになっていることがほとんどで、自らテナントを募集することはほとんどありません。
移転希望者はその仲介会社の物件情報の中から希望に合った物件を選び、貸主との賃貸借契約を締結します。その際に仲介を担当した不動産仲介会社に仲介手数料を支払います。
仲介手数料は賃料の1ヶ月分が一般的ですが、近年では借主からの仲介手数料を無料にしている不動産会社も多くなっています。
オフィスの移転に伴い、登記住所の変更を届け出る必要があります。
・自分で必要書類を作成し、法務局へ提出する
・司法書士へ依頼する方法
の、どちらかです。
自分で書類を作成する場合、専門的な知識が必要になるので、登記の経験がない方には時間と労力がかかります。移転後に時間の余裕がある場合は費用を抑えることができるので自分で作成するのも良いでしょう。
司法書士に依頼する場合、書類作成の代行費用がかかりますが、司法書士は登記の専門家なので、安心して提出資料の作成から登記の申請までの一連を依頼することができます。
司法書士への登記住所代行の依頼の相場は4~6万円ほど。移転のタイミングでなかなか時間が取れない方や、できるだけ手間をかけずに住所変更の申請をしたい方にはおすすめの方法です
また、登記住所の変更を法務局に提出する際は、登録免許税の支払いが必要になります。
登録免許税額は一律で以下の金額となっています。
【登記住所変更の際に支払う登録免許税】
移転前の本店所在地と移転後の本店所在地の管轄法務局が同じ場合:30,000円
移転前の本店所在地と移転後の本店所在地の管轄法務局が異なる場合:60,000円
賃貸オフィスの火災保険は、賃貸借契約の締結時に加入をする事になります。オフィスの火災保険の場合は不動産管理会社が代理店として機能している場合もあるので、自分で交渉自体はしなくて済むケースも多いです。
金額については、条件や保険会社によって変動するので、安く済ませたい場合は、自ら数社見積もりをとり、保証内容と掛け金のバランスを見て選定しましょう。
設立したばかりの法人や、財務状況が芳しくない法人の場合に、敷金減額の条件として貸主から保証会社の利用を求められる場合があります。保証会社とは、家賃の滞納発生時に借主に代わって賃料を保証するものです。
オフィスが決まったら、内装工事を行い、実際に顧客対応や業務ができるように作りこむ必要があります。
オフィス移転の際、最も費用が発生する可能性があるのが内装工事と言われています。きちんと把握をしましょう。
ほとんどの場合でオフィスの内装工事が必要になります。オフィスの内装工事の中で借主が費用を負担する工事は2種類あります。オフィスの移転の経験がなければ聞いたこともない言葉ですが、下記のような違いがあります。
B工事:入居者の要望で行い、オーナー側がビルの指定工事業者へ発注、入居者側が費用を負担。
C工事:テナント内部の工事など、入居者側が発注と費用負担。
B工事は空調工事や給排水工事、電源、分電盤工事など建物全体にかかわる工事のことです。
オフィスの専有部分に備えつけられている設備に関する工事ではあるものの、建物全体に関わりがあると判断される場合は、B工事となり、オーナー側の責任で工事を行うということです。貸主が工事業者の選定や工事の発注を行うものの、費用負担は借主となりま。
そのため、コストコントロールが難しく、想定より工事費用が高くなってしまう可能性もあります。工事区分はビルによって異なりますので、トラブルになる前に事前に確認しておきましょう。
C工事はオフィスの内部の工事で、クロス張替え工事やカーペット張替え工事、電話やインターネットなどの配線工事、照明関連の工事などが含まれます。
C工事は入居者側が工事業者を選択できる為、懇意にしている業者で工事をすることができ、コストを安く抑える事ができます。
ただし、工事条件を守り、オーナー側の承認を得た上で工事を実施しましょう。
新オフィスが決まれば、現在のオフィスから荷物を運び出す作業や入居前の状態に戻す工事が必要になります。
実はオフィス移転の中で一番トラブルが多いのが旧オフィスの引き渡しです。コスト削減のためだけでなく、トラブル防止の観点からもきちんと把握しておきましょう。
オフィスを移転する場合は、旧オフィスで使用していた什器やOA機器を新オフィスに運ぶ必要があります。
OA機器やPCなどの精密機械が多いこと、書類などの紙類が多いことから、オフィス移転を専門にしている業者へ依頼するのが良いでしょう。オフィス専門の業者はやや割高と言われています。数社見積もりを取って、内容を明確にして判断する必要かあります。
オフィス移転を機に使わなくなったOA機器や什器類を廃。棄するのも引越し費用の削減にもつながります。使用期間が短かったり、使用頻度が低く新品同様であったりすると中古買取業者の買取対象となる可能性もあるため、査定を依頼して買い取ってもらうのも費用の削減になるでしょう。
廃棄をするものについては廃棄費用がかかります。
引き取ってくれる引っ越し業者もあるので、業者の選定の際に確認してみるのもいいでしょう。
原状回復費用とは、退去する旧オフィスを貸主に引き渡す際に、入居時の状態に戻す工事にかかる費用を言います。
賃貸契約書と原状回復工事の見積もりの内訳をしっかり把握して、必要以上の工事がないか確認しておきましょう。
ここからは移転時のコスト削減のポイントについて解説していきます。
フリーレントとは、一定期間賃料が無料になる契約形態です。貸主との交渉によって契約開始日から一定期間賃料が無料になり、フリーレント期間の終了後から賃料の支払いが始まります。旧オフィス退去時の原状回復工事の期間にも賃料が発生するので、旧オフィスと新オフィスの賃料を二重で支払う必要がなくなります。
賃料値引きを交渉する場合、貸主にとっては賃料自体の減額と比べて、家賃自体が下がるわけではないフリーレントの方が検討しやすいので、初期コストを抑える手段としては非常に効果的です。貸主側としたら賃料値引きよりも交渉に応じやすくなります。
この「フリーレント」をつけることができるかどうか不動産業者を通して交渉すると良いでしょう。
創業してから年数の経っている企業や3年連続で黒字の企業は交渉してみる価値があります。保証金は、入居者が家賃を滞納した時やトラブルが起きた時に備えて物件オーナーへ預けておく費用です。物件オーナーは賃料の支払いが滞ってしまうのが一番困るため、社会的信用のある企業であると、保証金の減額交渉に応じやすくなります。
初期費用の減額交渉がしやすい物件もあります。例としては下記の2パターンです。
・立地の相場に比べて高すぎる賃料の物件
・しばらく入居者が決まらなかった物件
減額交渉をするにはそれなりの理由が必要です。
オーナーが周辺地域の賃料の相場について疎い可能性もあります。また、空き室はそのまま置いていても仕方がないので1日でも早く空室を埋めて収益を得たいはずです。初期費用にかかる賃料の減額交渉は、オーナーの立場に立ってみて、オーナーに寄り添った交渉をしてみましょう。
賃料などの減額交渉は、物件への入居意思をしっかり表明してから行います。申し込み前は、仲介業者と近隣の物件との賃料を比べたり、「フリーレントはどれくらいつけられそうか」など会話をして減額交渉の意志があることを相手が感じるぐらいにします。
根拠や交渉の手順を踏まずにただ「家賃を下げてほしい」と不動産業者に伝えるのはNGです。不動産業者に交渉するには以下のポイントを重視してください。
・客側の立場だからといって横柄に振る舞わずマナー良く接する
・条件の希望は明確に伝える
・近辺の相場を調べて交渉の根拠をはっきりさせておく
物件の条件について希望をはっきり伝えると、不動産業者もオーナーとのやりとりがスムーズに進みます。さらに知識をもつことで不動産業者もこちらに対して誤魔化さずに話し合いができるでしょう。
オフィス内装工事は工事費用を適正な価格で依頼することがコスト削減につながります。
まず必要になるのは設計費用です。オフィスの設計と工事は同じ会社に依頼することが多いですが、依頼したい設計事務所やデザイナーがいる場合は設計と施工を分けて依頼することも可能です。
設計と施工を分けることは、設計事務所と施工会社の双方のコントロールを自社で行わなければならず、手間と時間かかるうえ、余計にコストがかかってしまう可能性があります。
希望の内装レベルをしっかり考え、どの程度の内装工事を行いたいかを明確にして、その程度にあった内装工事業者に依頼することが重要です。
内装工事業者は大まかに2種類あります。
・汎用デザインができる内装業者
・デザイン重視のデザイナーがいる内装業者
デザイナーのいる内装業者に依頼すると、より自分のオフィスのコンセプトに基づくデザイン性のあるオフィスになります。この場合、デザイン費用が多くかかるためコストはどうしても上がります。
一方、デザイナーに依頼するほどの予算はかけられなかったり、コンセプトへのこだわりもそんなに強くない、という企業は前者の【汎用デザインができる】内装業者に頼むとコストは抑えられます。
汎用的なデザインでも機能的でおしゃれな内装を施す業者は多いので、特別こだわりのデザイナーに依頼したいという希望がなければ【汎用デザインができる】業者で十分です。
新オフィスの内装がオフィス移転の費用の中で一番大きな費用がかかります。原状回復工事にかかる費用や契約にかかる費用と違い、自社のオフィスをどの程度こだわるかによって大きく変動するため、金額と理想のバランスを考えましょう。
いくつかの業者に相見積りをとり、内装工事の相場観を養う事です。オフィス内装の工事費用は約15万円/坪〜20万円/坪が相場と言われています。
その物件にとっての費用相場を見つけるために相見積りをとりましょう。
◆DIYはコスト削減にならないことがある
内装工事を自前でやれば費用が安くなる事もあります。知識があったり普段からDIYをして慣れているとコスト削減につながるでしょう。ただし、費用としてのコスト削減ができたとしても、手続きや廃棄物の処理の仕方の手間がかかり、時間がかかりすぎることがあります。
材料などは、工夫をして費用を削減することができますが、廃材を廃棄する費用は簡単には削減することができません。
何にいくらかかるのか、どれくらいの時間でできるのか、しっかり計画してから実行しましょう
居抜き物件とは、前借主が利用していた設備、場合によっては什器などがついたままの物件です。前借主の内装をそのまま引き継ぐことができるため、内装の工事費を大幅に削減することができます。オフィス移転で居抜き物件に入居することは大きなコスト削減になるのです。
居抜き物件への移転は、移転の時期、エリア、規模が合わないと実現しないのでタイミングが合わないと難しいですが、現在は居抜き物件を掲載しているサイトなども増えてきており、以前に比べてハードルは低くなっております。
特に居抜き物件は100坪以下のスモールオフィスに多いです。希望に沿った居抜き物件に出会えたら大きな費用削減になるため、入居の検討をおすすめします。
退去の際は原状回復工事が必要になるケースもあるため、退去時にどの状態まで戻す必要があるのか、契約前に条件の確認・交渉をする必要があるでしょう。
オフィス物件のグレードそのものは移転費用の削減に大きく関連します。敷金や礼金、仲介手数料などは月額の賃料によって左右されるため、スモールオフィスや坪単価の安い物件を賃貸することでそれらを低く抑えることができます。
現在は特にテレワークと出社を混ぜた働き方が増えてきており、人数に対してのオフィス面積確保の必要性も以前より無くなってきています。内装の工夫も含めスモールオフィスで収まれば賃料を低く抑えることが可能です。
また、物件のグレードを下げることで、入居を争う事もほとんどなく、敷金・礼金の交渉を有利に進めることができ、内装の工事についても制限が低くなる傾向があります。
移転コスト削減で一番簡単な方法が、オフシーズンに引っ越し作業を行うことです。移転のオフシーズンは春の引越しシーズンが終わった直後のゴールデンウィーク明けから6月の梅雨の時期です。梅雨で雨が多いので引越しを避ける人が多く、料金が割安なのですが、値引き交渉ができればさらに安くなります。
移転のスケジュールが特に決まってないのであれば、この時期に引越し作業をするのもおすすめです。
状態にもよりますが中古オフィス家具は買取できる場合があります。引越し業者には中古オフィス家具の買い取り、リサイクルを実施している業者があります。通常であれば産業廃棄物の対象となり廃棄に費用がかかるオフィス家具も買い取ってもらえるとその分コストを抑えられます。
立地によってオフィス面積は同じでも賃料は大きく変わります。「取引先が都心に集中している」などの事情がなければ、必ずしも賃料の高い都心に移転する必要はないかもしれません。
立地の検討はコスト削減策としてとても重要です。
何のために移転をするのかを考え、それを優先することで削減ポイントが見えてきます。
賃料を下げたい、利便性のある都心に移転したい、リモートワークが増えたのでスモールオフィスで充分、来客があまりないので内装はシンプルでいい、といったように目的ごとにそれぞれ削減できるところは変わります。
無駄な費用はかけずに理想のオフィスに移転して、今後のプラスに繋げましょう。
オフィス空間デザインでは、ワンストップサービスにより、オフィスや店舗の移転・開設時にかかるトータルコストの削減を無料にてご提案致します。
オフィスの移転、レイアウト変更、新設には大変な時間と手間がかかります。各業者との打ち合わせや交渉など専門知識がないと難しい事も多く、通常業務を行いながらやるには大変な労力と負担です。
オフィス空間デザインは、お客様の要望にぴったりな物件の選定から計画の立案、工程管理、物件調査、オフィス空間のレイアウトデザイン、設計、移転作業、各種工事、家具、OA機器の販売、メンテナンス、通信インフラ設備とオフィスや商環境の構築をワンストップ(トータル)でご提案させて頂く事により現場管理や諸経費、書類作成費等の重複を防ぎトータルコストの削減を実現致します。
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移転に関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
移転のレイアウトはもちろん、それ以外もぜひお気軽にご相談ください。
2022年9月30日 11:39 AM | カテゴリー: スタッフブログ | タグ: