オフィスセキュリティとは
オフィスセキュリティは、「情報セキュリティ」と「空間セキュリティ」とに分けられます。
「情報セキュリティ」は、会社の機密情報や社員の個人情報など、情報資産を守ることです。
一方、「空間セキュリティ」は、社員や取引先など、オフィス内や外部から来訪する人から一定の基準にて情報を守ることです。
多くの企業が、「情報セキュリティ」の対策を努めていますが、「空間セキュリティ」を忘れがちな傾向にあります。
オフィスセキュリティにおいて大事なのは、情報セキュリティと空間セキュリティの両立といえます。

オフィスセキュリティ対策としての
ゾーニング
オフィスセキュリティ対策においては「ゾーニング」を行います。
ゾーニングとは、セキュリティの重要度(セキュリティレベル)に応じてオフィスのスペースを区分けすることです。
ゾーニングは、外部の来訪者からの情報漏えいを防げるだけでなく、内部の権限を持たない従業員が機密情報に触れないようにできるメリットがあります。また、人の動き(人流)を考慮して区分けすれば、作業の効率化も図れます。
ゾーニングは一般的に、以下のような4つのセキュリティレベルで分けられます。
セキュリティレベル | ゾーン | セキュリティ対策 |
---|---|---|
Lv1 | パブリックゾーン ・廊下 ・エントランス ・エレベーター |
制限や対策の必要性は低い ・入退ゲート ・防犯カメラ ・来訪者の入退室管理 |
Lv2 | 共有ゾーン ・受付 ・ロビー ・打ち合わせスペース |
不審者や部外者の侵入を防ぐ必要がある ・防犯カメラ ・パーテーション ・来訪者の入退室管理 |
Lv3 | ワークゾーン ・会議室 ・執務スペース ・休憩室 |
外部の人間の出入りもあるため情報漏洩に注意が必要 ・入退室管理 ・セキュリティ電気錠 |
Lv4 | 機密ゾーン ・金庫 ・サーバルーム ・役員室 |
最も高いレベルのセキュリティ対策が必要 ・防犯カメラ ・入退室管理 ・セキュリティ錠 ・複数の認証システム |
※表は横にスクロールできます。
社員入退室管理
入退室管理システム
入退室管理システムは、特定の施設やエリアへの入退室を制御するシステムで、オフィスセキュリティを大きく高める施策の1つです。
オフィスにおいてレベル2以上にゾーニングされている受付や執務室、役員室、書庫・金庫、サーバールームで利用されます。またオフィスだけでなく、工場、学校、病院などさまざまな種類の場所でも使用されており、物理的なセキュリティを強化し、不正なアクセスや侵入を防止するために設計されています。
不正アクセスや侵入を効率的に防止でき、認証手段やアクセス制御装置を組み合わせることで、施設やエリアへのアクセスを厳密に管理し、セキュリティを強化します。
また、従来の鍵管理やセキュリティ体制に比べて、入退室管理システムは導入や管理のコストが削減できる場合があり、特に大規模なオフィスや施設では大きな効果が期待できます。

入退室のログでセキュリティ管理
入退室管理システムと連携して、会議室だけでなくエントランスや受付へのアクセスを制御して、入退室のログを取ることができます。
オフィス、受付、書庫、セキュリティルーム、社長室や役員室など、さまざまな場所で使用することによって、不正なアクセスや侵入を抑止するだけでなく、ログを取っていることで、事後の対応や検証など迅速な対策が講じられます。

入退室の認証方式
会議室やエントランスの入退室の認証方法は以下の方法があります。
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暗証番号
テンキーで暗証番号を入力し解錠します。
暗証番号を分かる人が誰でも入室でき、ドアごとに番号を設定できます。 -
ICカード
ICカードを読み取り機器に接触させ解錠します。
社員証にICチップを埋め込んだり、交通系のICカードを使うこともできます。 -
スマホアプリ
スマホに専用アプリを入れ解錠します。
QRコードを発行してそれを読み取り機器に読み込ませて解錠させます。 -
生体認証
指紋や血管、顔などで認証するシステムで、セキュリティが最も高い。
接触がない顔認証が特に導入が進んでいます。
オフィスセキュリティ対策として注目の顔認証システム
顔認証システムは、人間の顔を使用して個人を識別する技術およびシステムです。顔の特徴やパターンを分析し、データベース内の事前登録済みの顔データと照合することで個人を識別・認証して、なりすましなど不正を防いで入室の正確な管理、履歴を残すことができます。
顔認証がここ最近、さまざまな理由から大きな期待が寄せられ、オフィスセキュリティ対策とし導入される理由があります。

顔認証が入退室管理で選ばれている理由
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セキュリティレベルが高い
他人のICカードを使用したり、一つのパスワードを複数人で共有したりして他人に「なりすます」ことができないため、高いセキュリティレベルの認証システムです。
カメラをつかって瞬きや視線の動きなどを取得する生体判定の技術も用いているので、写真を使ったなりすましも防止することが可能です。 -
忘れたり、なくしたりするリスクがない
ICカードや鍵など物理的な方式は、紛失のリスクがあります。なくさないように気を付けていたとしても、悪意の第三者による盗難のリスクもあります。
暗証番号などのパスワードや秘密の質問などの、本人しかわからないやり方は、本人が忘れてしまうリスクがあったり、ハッキングによってパスワードが解読されてしまうリスクがあったりします。
顔認証は本人の顔がキーとなるので、忘れる、なくすリスクはありません。 -
認証において利便性が高い
顔認証は、顔さえ検知できれば解錠できるため、両手がふさがっていても、スムーズに本人確認が可能です。
眼鏡、マスクの利用や化粧などにおいても本人認証ができるので、マスクを着脱したりする手間も必要ありません。また他のシステムとも連動することが可能で、例えば勤怠システムと連動して入退室がそのまま勤怠打刻とすることが出来ます。 -
非接触の認証のため衛生的
機器と接触することなく認証できるので、感染症対策で接触に対して運用ルールがある施設や心理的負担が大きい施設では、感染リスクの対策として顔認証が導入されています。
検温スクリーニングなど高い機能を備えており、本人確認とあわせて体温を測定し、健康状態を監視することも可能です。
VALTECは入退室のオフィスセキュリティを
さらにアップグレード
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入場ゲート
顔認証、勤怠管理、体温検知と連動した入場ゲートを利用することで、許可された人物のみが入場できるようになり、不正侵入を防止するだけでなく、入退室記録の正確性も保たれます。
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受付システム
受付システムは、訪問者の入退室の履歴を残すだけでなく、リアルタイムでの来客状況や訪問者の緊急時の対応などに利用できます。従業員と訪問者双方にセキュリティ意識が高められます。
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個室ブース
個室ブースは、認証機器と組み合わせて社内機密情報のデータ入力や閲覧など情報漏えい対策として利用できます。
大掛かりな内装工事を行うことなく安価に設置ができます。
防犯カメラとレコーダーの設置
防犯カメラを設置することで、その場所を利用する人に「見られている」という意識を与えることもでき、不審者の侵入や社員の不正行為を抑止する効果が期待できます。
また、防犯カメラの画像を録画するレコーダーを設置することは、何かトラブルが起こった際にカメラの録画を確認して対応することができます。
安価にオフィスセキュリティを高められ、実際に事件が起きてしまった場合も、迅速に対応できるのでカメラとレコーダーの設置は手軽に始められる対策と言えます。
防犯カメラを設置する場合、必要な費用は
- カメラ代
- 設置工事費
- 電気代
- レコーダー代
- モニター代
など防犯カメラ1台につき、トータルで10~50万円前後が相場です。
設置台数や配線距離、設置場所などによって金額は大きく異なります。
費用をおさえたい場合は、リースやレンタルを利用することもできます。

パーテーションの設置
パーテーションを設置することで、目隠しや会話による情報漏えいの対策として役立ちます。
コストも安く、設置しやすい自立式のパーテーションもあり、比較的導入しやすいオフィスセキュリティ対策と言えます。
目隠しが目的であればローパーテーションやデスクトップパーテーション、不審者の侵入防止も兼ねるのであれば天井までカバーできるアルミやスチールのパーテーションなど、場所と目的にあわせて選ぶことができます。
執務スペースや会議室、役員室などに設置する場合は、壁内部に吸音材を入れたり、パーテーションに防音パネルを取り付けることで遮音性を高めて、会話内容から会社の機密情報が漏れるリスクも低減できます。
