会議室のレイアウトはどうすればよい設計ができるか分からないもの。
会議室のレイアウトには多種多様な種類が存在します。
その中で適切かつ効果的な会議室を選ぶためには、
・参加する社員の数
・どのような目的で会議室を運用するか
等の要素を検討する必要があり、各要素によって必要な寸法や会議室タイプ等が変わってきます。
本記事では、企業担当者の会議室レイアウト時の参考となるよう、種類や寸法、選ぶ際のポイントなどについて解説していきます。
会議室を選ぶ際は、座席のレイアウトから絞り込むことが基本です。
・ロの字型
・コの字型
・島型
・スクール
・シアター
・対面型
・正餐(さん)型
会議室のレイアウト時の代表的な形式としては上記の7つの種類が存在します。
自分たちで、会議室の完成後に配置を変えることも一応可能ではありますが、前もってどんな形式があるかの確認は、レイアウト設計を考えるうえで大変重要です。
ロの字型では、カタカナの「ロ」の形に長い机を配置し、その周りに椅子を並べて会議を行います。全参加者が顔を見合わせて、丁度いい距離感で意見交換を実施することが可能なレイアウトです。企業では国際会議や重役会議、他の利用例としては映画・劇のセリフ合わせ時やテレビ番組の企画会議時等においてもこの形式を取ることが多くなっています。
画像の型の会議室を見ると、無意識のうちに緊張してくるという方も多いことでしょう。
部屋にデッドスペースができやすい都合上、この型の場合ある程度の広さが設計時に必要になります。会議室に広さが足りなければ、ロの字の空洞部分を埋めることで密集度が高い形式にする場合もあります。
机を「コ」の字型に配置しつつ、その外周部分に椅子を配置する会議室のレイアウトです。
業務報告やプレゼン発表を行いつつ進める会議であれば、この形式が利用されます。
ロの字の1つの辺だけを切り抜いた形で、切り抜いた部分にプロジェクタースクリーンやホワイトボードを設置して、その確認をしつつ会議を進行させます。
特に、企画開発会議などでこの形式は用いられます。他でも、「ロ」の字にするだけの人数が足りない場合等で、コの字型を用いる場合もあります。
コの字型もロの字型と同じく、机の設置スペースを多く取るため、一定以上の広さを確保する必要があります。
島型の会議室レイアウトは別名、「アイランド型」とも呼ばれています。
会議室内に座席と机の組み合わせをいくつかつくるレイアウトであり、通常であれば各席に3人から6人程度割り振られます。特に、作品制作や議論をグループで行う際によく用いられる形式になります。大人数を抱える企業や組織では、数人同士でひとまず親睦を深めていく必要があります。
そうした状況においてはこの形式は最も無難な会議室のレイアウトと言えます。
スクール形式とは、学校や塾などのように全机・椅子が前方の演台の方向に向いている会議室のレイアウトを指します。セミナーや講演会、勉強会など、一人の人が何名かの受講生・参加者に対して授業や研修を行う時などにこの形式が用いられます。
他にも資格・検定試験を行う際などにも利用されます。
授業を受ける人は自然な体勢で板書を書き写すことが可能なほか、部屋の前側で話す講師は受講者各人の顔を確認しつつ、会議の進行を行うことが可能なため、授業に関してはこのレイアウトが世界標準と言えます。
注意点として、参加者全員で意見の交換を行ったり、討論をするような状況には向いていない事には気を付けましょう。
シアター形式とは、座席がすべて前方の舞台の方へ向いているレイアウトのことを指します。スクール形式との違いは、机は除き椅子のみを並べる点です。机を使用しないため、省スペース化が期待でき、さらに多くの人を動員可能です。机も椅子も一体になったものもありますが、こうした椅子を利用する場合はシアター形式とは呼称しません。
入学式の際や入社式、講習会や発表会などの「筆記」があまりない会合の際はこうした形式を取る場合が多くあります。
時折、シアター形式でもバインダーなどの下敷きを配った上で筆記を求められる場合があります。
対面形式とは、二組のチームがそれぞれ1列となり、1つの机を挟み込んで向かい合わせとなる会議室のレイアウトのことです。
長方形の机の向かい合う2辺へ椅子を並べ、ほかの2辺に人は座らない形式です。
一般的なファミレスや居酒屋のテーブル席はこの形状です。6~8人ほどの小規模会議であれば、問題はありませんが、端同士となれば自然な形でコミュニケーションを取ることは難しくなります。大人数となれば、両端へ座る人は顔を見ることが難しいため、ディスカッション風に会議を進めることは困難です。打ち合わせなどの全員が対等な立場で行う会議で使われることは少ない形式です。
立会人等を同席させた上で、代表者同士が正式に挨拶や契約を交わすような、正式な場にふさわしい形式と言えるでしょう。
お見合いに結婚の挨拶などの状況でも、このレイアウトは用いられます。
座席で囲まれた円卓を室内に複数台配置する会議室のレイアウトを正餐形式と言います。ちなみに、このレイアウトから座席のみ取り払ったものを立食形式と呼びます。洋風のパーティ等ではレイアウトとして有名で、パーティーや結婚披露宴等では基本的にこの形式です。
たいていの方が見たことのあるレイアウトではありますが、この「正餐形式」の名称はあまり知名度がないといえるでしょう。
「正餐」とは「一日のうちの主な食事」を指し、ディナーとも同じ意味です。正餐形式のテーブルではコース料理に加えテーブルマナーがつきものです。もし招待された際は、必ず頭に入れておく必要があります。
ここまで解説してきた会議室レイアウトの種類を目的や内容、参加人数に合わせて取捨選択していけば、効率よく会議やイベントの進行を促すことができるでしょう。
会議室レイアウト時の「寸法」について、この章では紹介していきます。
参加人数に最適なスペースの確保によって、出席者の満足度を向上させ、より有意義なディスカッションが可能となります。
重ねてレイアウトを考える際は寸法の参考になる基準値の把握が重要です。
本章では、そうした基準値を元として小規模(10人未満)から、大規模(30人以上)の会議を想定した各収容人数に見合う快適な寸法を紹介します。
レイアウト寸法の基準値
1人あたりで必要なスペース | 幅60~80cm |
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テーブルのサイズ | 幅は人数毎で調整、奥行き45~60cm/テーブルを超えて対面する際は90~150cm |
左右のテーブルの間の距離 | 80cm/通路として動線を十分確保する場合160cm |
テーブルの背後のスペース | 80cm |
身体的距離の確保をしたい時は人と人との間を200cmで調整するとよいでしょう。
チーム間のディスカッションやモニターを利用したプレゼンテーション等をする場合、小規模会議に応じた対面形式や島型、コの字型などのレイアウトが良いでしょう。
もちろん、会議室の用途に応じて1人あたりに必要なスペースは変化しますが、10人未満の小規模な会議などであれば、以下のような広さを最低限の目安として、家具サイズや通路スペースの調整を行うとよいでしょう。
対面形式で2対2の4人会議を行う場合
最低限得たい広さ | 5平方m |
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幅 | テーブルの後ろのスペース80cm × 2 + テーブルの奥行き90cm= 250cm |
奥行き | 一人あたりのスペース60cm × 2 + テーブルから壁面までの距離80cm = 200cm |
広さの計算式 | 幅250cm × 奥行き200cm = 5平方m |
もしも、中~大規模(10名以上)の場合であれば、1人ごとのスペースを広く確保することが難しい場合も出てくるでしょう。
10人程度の動員ならば、重役会議向けとなるロの字型で余裕ある会議室レイアウトを考えても良いでしょうが、動員数が多ければ参加者同士の討論もしづらくなるため、研修や講演会等を用途としたスクール形式を取り入れても良いでしょう。スクール形式レイアウトなら入口から正面までの通路幅を1m以上確保しておくとよいでしょう。
具体的な寸法については、会議室が狭い場合を考えた次の広さを目安としてみると良いでしょう。
スクール形式/15人会議で2人掛テーブル・3人掛テーブルが3列並ぶ
最低限確保したいスペース | 18.81平方m |
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幅 | 一名あたり60cm× 5 + 2人掛テーブルと3人掛テーブル間の距離80cm = 380cm |
奥行き | テーブル背後のスペース80cm ×3 + テーブルの奥行き45cm ×3 + テーブルから壁面までの距離120cm = 495cm |
広さの計算式 | 幅380cm × 奥行き 495cm = 18.81平方m |
大人数(30人以上)が利用する場合、参加者全員でディスカッションをすることは不可能となるため、研修または勉強会向けのスクール形式やグループ分けし議論ができる島型形式で利用されるのが基本の形です。
多くのスペースをデスクの設置時には必要とするため、1人あたりで確保可能なスペースがほとんどない場合はシアター形式を考えると良いでしょう。
30人以上の収容が可能なシアター形式の会議室をレイアウトするとして、最低限度確保したい寸法の目安は以下の通りです。
シアター形式 8人並び席が5列あり、計40人の収容をする場合
最低限確保したい広さ | 約26平方m |
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幅 | 一人に割くスペース60cm × 8 + 椅子から壁までの距離120cm ×2 = 504cm |
奥行き | 座った際のスペース40cm × 5 + 椅子間の前後の距離40cm× 5 + 壁面から1列目の席までの距離120cm = 520cm |
広さの計算式 | 幅504cm × 奥行き 520cm = 約26平方m |
会議室のレイアウトを検討する場合、自社でどんな用途の会議室が必要かを十分検討することが重要と言えます。
会議室を新しく作る場合、より集中して会議を行える場所にするため、確保できる範囲のスペースや利用する人数に応じた寸法で設計するとよいでしょう。
重ねて、なぜ会議室を作るのかという「目的」の部分を最初から最後まで明確にしておくことも忘れないようにしてください。
会議室用の家具は利便性などへ注力するか、高級感や収納性を重視するかなどのコンセプトを先に決めてから選定すれば、会議室の統一感をより保ちやすくなります。デザイン性・機能性を十分考慮しつつ、快適なレイアウトの演出が重要です。
会議室というのは基本的に重要な情報について語り合われる場です。
したがって、情報の漏えいを防ぐために防音対策を施す必要があります。
会議室外の騒音が発生すると集中力の低下や外の作業スペースの作業効率の低下をもたらす可能性が存在します。
この章では、会議室のレイアウトの検討の際によくある質問について、ご紹介します。
実際にレイアウトのプランニングを始めてみると、かつては認識出来ずにいた疑問点についても浮かんでくることでしょう。ここまで紹介をしてきた基礎知識と合わせる形で是非チェックしておくとよいでしょう。
会議室のレイアウトの検討時や社内で提案をするための資料作りで活用可能なツールとして、基本的に多くの会社で利用されているのはExcelです。
Excel用のテンプレートファイルをダウンロードできる無料サイト等も利用して会議室のレイアウトに役立ててみるとよいでしょう。
それ以外にも、手軽な細部の微調整が可能なフリーソフト等もいくつかあります。3D機能を搭載したものに加え、サンプルパーツの豊富なものなど多種多様なため、何個かダウンロードをしてみて、レイアウト担当者の使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
会議室のレイアウト変更をする際は、家具の移動だけでなく、モニター等の配線関係や消防法の知識に加え、地震災害に備えた家具の転倒防止対策等が必要となります。
したがって、専門的なデザイン力やノウハウを持つ業者へ依頼するのが良いでしょう。
依頼をすれば、レイアウト作成だけでなく、各種工事に家具の移動といった力仕事に加えて、クリエイティブな工夫についてまで任せることができ、工数や負担を減らすことができます。
実績豊富な業者ならば、かつてのノウハウを活かして、より自社の雰囲気に適したレイアウトの提案が可能となります。もしレイアウト変更について、少しでも不安があれば業者委託の検討をしましょう。
オフィスが手狭なために会議室用の個室スペースの設置が困難な場合、オフィス内のスペースを利用して、少人数向けの会議ブースの設置を検討すると良いでしょう。
また、導入工事いらずで、自分の手で組み立てが可能な簡易的なものもあります。
また取り外しも簡易的なため、レイアウト変更やオフィス移転の時にも移動がスムーズです。
天井までの高さの仕切りを設置するといった大規模な工事では、消防法のために許可申請等をする必要がある反面、「会議ブース」等を導入すれば、より手軽にかつ短期間で導入が可能になります。
会議室のレイアウトは大変なものです。
・会議室だけでなく、周りの部屋や部署との調和や騒音への配慮が必要
・会議室の内装やデザインがなかなか決まらない。
・思い通りのものを設計するとなると費用が膨大になる。
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2023年6月1日 9:13 AM | カテゴリー: スタッフブログ | タグ: