機密漏えい対策が必要なオフィスの会議室や役員室、またプライバシーの保護が求められる弁護士事務所の相談室、クリニックの診察室やカウンセリングルーム等、「壁の音漏れ」気になりませんか?
~①音漏れを防ぐにはまず音の性質を知ろう~
音の伝わり方には2つの種類があります。
例)話し声、楽器の音
例)上階の足音、壁をたたく音
防音の基本としてはこの2種類に対して対策を行うこととなります。
②~壁の種類と特徴を知ろう~
会議室の壁や商談スペーズの区切りとなる壁をパーテーションと言います。パーテーションにも用途によって使用する素材が違い、価格も様々です。
骨組み(柱やフレーム)の素材がアルミで、パネル自体はペーパーコア(段ボールの断面のようなもの)を鉄板で挟んだものや、ガラス板を使用します。パネルの厚みが30mm程度と薄いため、防音性には少々欠けますが、工事費用を抑えながら、しっかりと空間を仕切ることができます。
▲パネル+ガラス
▲パネル+ガラス
▲ガラス
スチール製の骨組みを使用し、床と天井に固定します。アルミパーティションに比べ、スチールの重量感が、空間に高級感や重厚な雰囲気を与える効果がある他、壁内部に吸音材を入れ、防音性を高めることもできます。
▲パネル
▲パネル+ガラス
▲ブラインド内蔵ガラス
軽量鉄骨を骨組みに用い、石膏の板で挟み、クロスやシート貼り、塗装で仕上げた壁で床と天井に固定します。 壁内に断熱材や防音材、配線等自由に入れることが出来るため、防音効果を高めたい場合に選択されます。
▲下地組み
▲断熱材・吸音材の充填
▲石膏ボード張り
▲クロス仕上げ
③~具体的な対策とは~<防音の基本>
部屋で発生した音の反響を小さくするよう吸音材を壁の表面や内部、床や天井に貼ります。 グラスウールやロックウールなど繊維系の建築材料が主に使われます。 音(振動)を繊維に伝え振動させることにより、音を熱エネルギーへと変換します。
外部からの音を遮断したり、内部で発生した音を外へ漏らさないよう、壁や扉に遮音材(主に遮音シート)を貼ります。 鉛やコンクリートなど比重の高い材料ほど空気振動で伝わる音を遮断することができます。
④オフィスやクリニック等で実際に施工される防音対策
音はまっすぐ進み、空気を振動して伝わります。僅かな隙間からでも伝わります。 ガラスのサッシ部分なども極力隙間を埋めることが必要です。
(アルミ:可 / スチール:可 / LGS:可)
▲before
▲after
遮音性能は重たい材料ほど高くなります。遮音性能は、
アルミパーティション < スチールパーティション < LGS
となります。
壁の表面に遮音シートを貼ることで遮音効果が上がります。
(遮音シート 1200円/㎡~)
(アルミ:可 / スチール:可 / LGS:可)
(※1 LGSはボードの2枚貼りや遮音仕様での施工が可能なため、スチールより上位性能としております)
オフィスやクリニックで最も多く施工されている防音工事です。
基本的には壁の間にグラスウールを充填します。
空気、壁材を通して壁の内側に入った音(振動)を繊維質が振動することで熱エネルギーへと変換し音を小さくします。
また、壁の内側だけでなく表面に貼り付けることで、より防音性が高まります。
(グラスウール 1000円/㎡~)
(アルミ:不可 / スチール:可 / LGS:可)
▲LGSの場合
▲スチールの場合
空調音に類似した音をわざと部屋に流すことにより、会話漏れを防ぐ手法。 壁に防音処置を施す一般的な防音対策とはことなりますが、こういった方法もあります。
⑤素材別に比較
素材別に比較し特徴を捉えましょう。
⑥まとめ
会議室の音漏れの対策として効果としては
密閉 > 遮音(LGS > スチールパーティション > アルミパーティション) > 吸音
となりますが、費用コストも上記の順になります。
会社様において、コストが無尽蔵ではないことと、現在の内装の状況によって各対策のデザインの自由度や施工にかかる日数や納期も違います。
予算・性能・デザイン・納期等を総合的に考えて、壁の素材を選択することが必要です。
経験の長いオフィスデザイン空間では、無料にて相談とレイアウト作成をさせていただいております。
お気軽にご相談ください。
⑦WEB会議ブースの防音は?
WEB会議ブースは、そのブースの素材や密室性の仕様により防音性が違ってきます。
詳しくは、下記のブログをご参考ください。
オフィス空間デザインブログ
WEB会議ブースの防音と費用について